はるコレ!vol.8「春日部の茶畑にいこう」

埼玉県春日部市の最北端、内牧にある産直の里。
春日部駅から車で約15分。
ビルがある中心地からは景色が一変。緑豊かな農園が立ち並ぶ。

県道から一本道を入ると、現れるのは約8000㎡の茶畑。

お茶の製造工場も併設するおづつみ園の茶園だ。

おづつみ園の歴史

明治の初め頃、おづつみ園初代になる尾堤卯三郎(おづつみうさぶろう)さんがお茶の種を川越から買ってきて植えた。といわれている。お茶は、自分達で飲む分を作っていた。

二代目の尾堤政右衛門(おづつみまさえもん)さんは農協の組合長でもあった。
周りの農家を見渡すと、春日部市には米農家が沢山あった。しかし秋に稲を刈り入れ、冬にしか収入はない。そこで、お茶を田んぼの周りに植えることを勧めた。
田植えが終わる頃に、田んぼの栄養・水分を吸って、新芽が出てくるお茶を摘める。一年を通して農家の暮らしを支える。政右衛門さんは、米農家が摘んだお茶を買い取って製造量を増やした。

今の茶畑の姿は、三代目になる尾堤英雄さんが茶樹を植えたもので、現在、近隣ではお茶畑はおづつみ園のみ。

英雄さんは、でんぷん工場もやっていたが、戦後、お茶農家一本に転身。
昭和35年3月。お茶を卸すだけでなく、今のおづつみ園春日部東口本店を作り、自ら小売業を始めた。

初めてのことで心配もあったが、買いに来てくれたのは、以前政右衛門さんが面倒を見た農家の人たちだった。

5月の中旬に摘むお茶は一番茶。6月下旬のものは二番茶。8月頃には三番茶といわれる。
芽はどんどん伸びるが、おづつみ園では一番茶となる5月頃の葉っぱしか使っていない。
梅雨前はいいが、だんだん暑くなってくると、虫もたくさん発生するからだ。

「農薬は使いたくない。身体に入るものだから、自分が飲むものだからね。毎日お茶を飲んでいるから、今でも配達のトラックも運転するよ。」と笑うのは90歳になった三代目。

現在販売しているお茶は、自社農園の茶の葉と、静岡・鹿児島・伊勢・宇治などの産地から直接買い付けた茶葉を自社工場でブレンドして、ご家庭で飲める茶葉にしている。

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心地よく風が吹き抜ける茶畑とログハウス。

お茶は樹。
そんなところから教えてくれる、お茶摘み体験も開催している。

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