日本一周をした元銀行員。月の三分の一は畑にいるフォトグラファーのSTORY
ーDATAー
梶直輝かじなおき 31歳
1990年6月17日生まれ
ほぼ春日部市出身(母親の里帰り出産で福島県で誕生)
父の仕事は会社員・4つ上の兄が一人
豊野中学校・杉戸高校出身、サッカー部所属
子供の頃の夢はサッカー選手
安定がいいと思っていた。
大学生の頃は、色んな飲食店でアルバイトをしていました。今でもある、春日部駅西口の松屋でも働いていましたよ。ホテルマンをしたこともあります。色んな人と触れ合う、接客業が好きでした。
安定がいいと思って、将来は公務員になろうかと思っていました。でも、試験が大変そうだな、と気づいて、最終的には銀行に就職しました。
銀行では色々な社会の仕組みを学びました。二年働いて、僕の中で区切りがついたんです。学生時代から旅は好きだったんですが、日本一周をする為に会社を辞めました。
そして2015年5月に、自転車で日本橋からスタート、200日かけて全都道府県を周りました。
日本をもっと知りたいと思ったんです。色んな人に会いたいなと。知らないと選択肢にもならないじゃないですか。地域特有の仕事もあると思う。色んな生き方を知りたかったんです。
どんな生き方でもいいんだ。
日本を一周して春日部市に戻って来て、実はちょっと燃え尽き症候群になっていました。吸収が多すぎて、結局何をすればいいかわからなくなっちゃったんですよね。
それでも、お礼というか、挨拶回りにまた全国を飛び回っていました。
そうこうするうちに、webサイトを作って。という依頼が来ました。日本一周をする時にwebサイトを作って記録をしていたので、それを見ての依頼でした。他にも農産物のコンサルの会社からお呼びがかかったり、知り合いが多いからと転職相談を受けているうちに、転職エージェントをすることになったり、日本一周をした時に知り合った人たちから仕事をもらうようになりました。
仕事の中には、写真撮影の依頼もありました。それも、日本一周をした時の写真を見てくれた人からの依頼でした。そのうち撮影の依頼は、月に一回は入るようになっていました。
2018年3月に、福岡県を友人と旅していた時に言われたんです。「そんなに依頼があるなら、フォトグラファーになればいいじゃないか。」と。
銀行時代に知り合った先輩だったのですが、プロ用のカメラを買ってくれました。カメラ本体と、レンズを2本。全部で60万円もするものでした。そこからフォトグラファーと名乗るようになりました。
コロナ禍は転換期。拠点を作るのもいいかも。
お陰様で、日本全国そして海外も、カメラを持って飛び回っていました。
でも、新型コロナウイルス感染症が流行し、春日部市に留まらないといけなくなったんです。仕事が無くなりました。そんなある日、幼稚園時代からの友人から「農地借りたよ。」と連絡が来ました。
僕は、28歳くらいから健康に気を遣うようになっていました。自分で酵素シロップを作ったり。野菜を作る、農業もいいよなぁ。と言っていたのを友人が聞いて、ちょうど空いている土地があるからと、農地を借りてきました。「借りたから、やるしかないね。」と笑って言われました。
最初は本当に小さい区画を想定していたのですが、あれよあれよと、ここもここもと増えて行き、今は400坪以上はあるかな。雑草で荒れていて、治安も良くないから、綺麗に整地をして、管理をすると、近隣の方も喜んでくれました。
もちろん、自分でも作物を作りたかったのですが、農産物を作って売る。という普通のことはしたくはなかった。育てるところから関わってくれる仲間が欲しいな。とも思いました。そして、自分達が食べるものを、自分たちで作る、サブスク農園を始めることにしました。それが共同農園『Coltivate』です。
口コミで、春日部市内の方が、家族で参加してくれています。野菜は、実験をしながら色々育てています。
今は、家族写真やお店の写真などを撮っています。ご縁で依頼を受けて各地に撮影に行きます。
僕にとって写真撮影は、0から1を作る作業です。どういう写真を撮るか、どんなテーマがいいか、依頼者や被写体と、一緒に作り上げていくのが楽しいんです。
拠点を作る。春日部で。
正直、自分がひとつの所に留まっていない性質なので、農園を作るのは少し躊躇していました。
でも、今サブスク農園という形で成り立っているし、全国から友人が、ここを目指して来てくれるようになりました。ここを一つの拠点として、全国の他の拠点と繋がる。そんな広がりも面白いかな。と思うようになりました。例えば、近くに泊まる所とかを作ったら、もっと広がるかもしれない。なんてね。
フォトグラファー梶直輝さんのオススメのはるたびは?
はるたびとは、春日部を旅するように楽しむことです。梶さんのオススメをおしえてください。
一ノ割にある志村酒店さんと、武里にある自然食のカフェcamecame30さん。
志村酒店さんは、ラインナップが豊富でその人や季節に合わせたお酒を選んでくれるんです。
camecame30さんは、美味しいだけではなく、お料理も美しくて、健康にも地球にも良いんですよ。
全国から来る友人を、だいたいこの2店舗には連れて行きます。
人に歴史あり。
春日部市の魅力は、人です。
そんな、魅力ある人たちが作る、かすかべ。
あなたも是非、はるたびしてみてくださいね。
梶直輝さんへの写真依頼はtwitter、Instagramのダイレクトメールで。
2021年7月4日に、ララガーデン春日部で梶直輝さんが撮影する「麦わら撮影会」が開催されます。