「藤のまち春日部②-いろんな藤編ー」では身近な藤が見られます。
ここでは、少し歴史に触れてみましょう。
「藤のまち春日部」となった最大の起因は
「牛島の藤」です。
昭和3年(1928)1月18日、「牛島ノ藤」が文部省指定天然記念物に。
昭和30年(1955)8月22日、国指定の特別天然記念物に認定されました。
その起源は定かではないですが、日本では、藤は初夏の風物詩として古来より愛されてきました。
昭和30年、国指定の特別天然記念物に認定された年の3月には、埼玉新聞社により、当時の春日部駅で藤を見に来た観光客を歓迎する装飾の様子が撮影されています。
春日部市の「牛島の藤」が広く知れ渡ったのは、鉄道が開通したことが大きかったといわれています。
明治26年(1893)には、千住と粕壁を結ぶ千住馬車鉄道の開通。
当時の人たちは片道3時間半かけて、千住と粕壁の間を行き来したようですよ。
千住馬車鉄道の廃止後、明治32年(1899)東武鉄道が開通すると、人の往来も増え、「牛島の藤」がさらに知れ渡りました。
当時の絵葉書が残っています。
大正時代の航路図には、鉄道と共に「牛島藤」の文字と藤の絵が掲載されています。
絵葉書にもなっていたこの「牛島の藤」。
現在はどうなっているのでしょうか。
藤花園とうかえん
藤の牛島駅から徒歩9分。
そこには歴史のある庭園があります。
「千二百余年前、弘法大師お手植の藤とも聞きおよぶ。」
そんな伝説も残る庭園は、藤花園。
普段は扉が閉ざされています。
藤の花が咲く4月中旬から5月にかけて開園。
左の石碑には「牛島の藤」の由来が刻まれています。
開花はじめの動画はこちら。
藤は、咲きながら伸びて、伸びた先に蕾がついて、段々と花が垂れ下がってくるそうです。
藤花園では、やはり樹齢1200年といわれる藤の花と巨木が見物ですが
広い庭園では、樹齢500年の赤松やツツジなども楽しめます。
満開の写真はこちら。
今年は静かに、砂利の音と、藤の甘い香りを楽しむのもいいですね。
長い花先に触れないように、気を付けて。
今も昔も花に癒されるのは変わらないようです。
2021年は、ちょうど開園期間が見頃のようですよ。
是非一度「牛島の藤」を見に、春日部市にお出かけください。
藤花園とうかえん
埼玉県春日部市牛島786
TEL:048-752-2012
開園期間:2021年4月17日(土)~5月5日(水)
開園時間:8:00~17:00
入園保存料:大人 1,000円 / 子供 500円(4歳以上小学生まで)
団体割引あり
駐車場あり
※感染症対策、分散来園にご協力ください。
春日部市の歴史が詳しくわかるのは
春日部市郷土資料館のサイト「ほごログ」
2021年4月13日(火)~5月2日(日)は「渋沢栄一もみた春日部の藤」展を開催中。
掲載した資料も展示でご覧いただけます。
春日部市郷土資料館
埼玉県春日部市粕壁東3‐2‐15
TEL:048‐763‐2455
開館時間:9:00~16:45
入館料:無料
休館日:月曜日、祝日
駐車場:あり